このたび埼玉県合同輸血療法委員会では、より安全で適正な輸血医療向上を目的として、赤血球不規則抗体保有カードを作成・運用することとなりました。
医療機関関係者の皆様におかれましては、本カードが患者様に有益なものとなるよう、積極的なご活用をお願い申し上げます。 埼玉県合同輸血療法委員会
《表面》 《裏面》
普及ちらしは、こちら(674KB)からダウンロードできます。
カード発行施設数
45施設(令和4年6月現在)
〜ご利用上の注意点〜
本カードを採用するご施設は当委員会事務局までお知らせください。
後日、使用状況等についてアンケートをとらせて頂きます。
委員会事務局:埼玉県赤十字血液センター 学術情報・供給課
Tel:048-720-8006
E-mail:st-godoyuketsu@ktks.bbc.jrc.or.jp
目的
「輸血療法の実施に関する指針」では、「37℃で反応する臨床的意義(副作用を起こす可能性)のある不規則抗体が検出された場合には、患者にその旨を記載したカードを常時携帯させることが望ましい。」とされています。
この度、埼玉県合同輸血療法委員会が中心となり、埼玉県内共用の赤血球不規則抗体保有カードを作成し運用する運びとなりました。多くの施設で活用してもらうことで、遅発性溶血性副作用の防止に役立てていくことを目的としています。
カード受取医療機関へのお願い
1.赤血球不規則抗体保有カードに記載されている抗体は、発行した施設で検出された抗体で、保有既
往抗体であることをご認識ください。
2.不規則抗体検査は必ず自施設でも実施してください。
3.輸血時は、その抗体に対応する抗原陰性血を選択し、必ず交差適合試験を実施してください。
カード発行元医療機関へのお願い
【記載内容】・【発行方法】等をご一読のうえ、適切に発行いただくようお願いします。また、対象患者には、このカードは手術・出産等の輸血時に必要となる事があるので、受診先の医療機関に必ず提出するようお話してください。
サイズは一般カード(クレジットカード等 54mm×86mm)の大きさとします。
記載内容は以下のとおりです。
《表面》 《裏面》
@氏名:漢字とフリガナ @注意(お願い)事項【患者】・【医師】
A抗体名 Aカード問い合わせ先
B検査日 B「埼玉県合同輸血療法委員会制作 初版」
C施設名 を明記
DNo.(発行施設の通し番号 or ID)
検査法・抗体名の記載
1.検査方法は原則掲載しません。
2.抗体名は、間接抗グロブリン法で検出された抗体(臨床的に意義のある抗体)を記載します。
但し、妊娠歴や輸血歴のある患者で、酵素法のみで検出された場合も記載します。
※臨床的に意義のある抗体:赤血球型検査(赤血球系検査)ガイドライン(平成28年10月改訂
2版)に従います。
抗体の特異性 | 臨床的意義 | 輸血用血液製剤(赤血球製剤)の選択 |
Rh、Duffy、Kidd、Diego、S、s、Kell、M(間接抗グロブリン試験*陽性)、Lea(間接抗グロブリン試験*陽性) | あり | 抗原陰性 |
Jra | あり | 抗原陰性が望ましい |
その他高頻度または低頻度抗原に対する抗体 | 特異性、症例により異なる | 輸血認定医、輸血認定技師または専門機関に相談 |
*反応増強剤無添加−間接抗グロブリン試験(37℃、60分)
発行方法
1.自施設で不規則抗体検査を実施し、不規則抗体検出時にカードの発行をお願いします。
2.カードはこちらからダウンロードできます。
※手書きで作成する場合は、血液センターに印刷済みのカードがありますのでご請求ください。
(埼玉県赤十字血液センター学術課 電話048-720-8006)
3.サイズ、フォント、文字サイズ等のフォーマット変更は行わないでください。
※カード名のタイトル「赤血球不規則抗体保有カード」は変更不可としますが、
背景色および文字色はご自由に変更してください。
4.作成したカードはラミネート加工するなど、汚損しにくい方法でお渡しください。
※ラミネートは60mm×90mmをご使用いただくと便利です。
医師・患者への説明やカードの手渡し方法
1.当委員会で作成した説明文を参考に、医師・患者に説明してください。
2.カードの手渡し方法は各施設での運用方法で行ってください。
注意事項
1.赤血球不規則抗体保有カードは、検査を省略するためのものではありません。
必ず、自施設で不規則抗体検査ならびに交差適合試験を実施してください。
2.当委員会は、発行済みカードに記載された不規則抗体名について、一切の責任を負いませんので
ご了承願います。
下線部は、自施設から依頼した外注検査の結果でも構いません。